放浪猫

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Windows10+VirtualBox+XPMode環境からR8C/33Aマイコンを動かす

お疲れさまです、ゆきしろです。

前回、Windows10にVirtualBox+XPMode環境を構築しました。

hourouneko.hateblo.jp

 

なんのためにそんな面倒なことしたかって、タイトルのとおり。

RenesasのR8C/33Aマイコンを動かすためですね。

このマイコンの通信部分のソフトをRenesas側がXPまでしかサポートしていないせいで、↑のようなXP環境を構築したわけで。

というわけで、今回は構築したXP環境に、マイコン開発環境を作ろうと思います。

 

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準備するもの

Windows XP環境(今回はWindows10上のVirtualBox+XPMode)

・諸悪の根源であるマイコンボード付きの本(良本ですw)

 すぐに使える!実験・試作用マイコン・モジュール (シリコン・ディスカバリ・シリーズ)

・各種ソフトウェア

①「M3T-NC30WA【無償評価版】」

 R16C/R8C用Cコンパイラ・パッケージです。HEW4が同梱されています。無償版だと60日後にオブジェクトのリンクサイズが64KB以内に制限されますが、R8C/33Aは32KBのため特に制限は受けません。

②「M16C R8C FoUSB/UARTデバッガ(High-performance Embedded Workshop版)」

  無償提供されているR8C UARTモニタ・プログラム。OSのサポートがXPまでのため注意。Windows7以降だと、マイコン転送時に通信エラーが発生します。

③FDTI仮想COMポート用ドライバ VCP(USB接続されたマイコンをCOMポートとして認識させるため)

 XPのサポートが終了したためWindowsUpdateからのドライバインストールはできません。FTDI社のサイトにアクセスし、ドライバをインストールする必要があります。

④フラッシュ開発ツールキットFDT(無償版)

 最終的にマイコンフラッシュメモリに書き込むときに使うツール

⑤その他アップデートプログラムとか追加のMCU設定ファイルとか

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準備

1.VirtualBoxのXP環境に①~⑤のソフトウェアをインストール

2.一旦VirtualBoxのXP環境をシャットダウン

3.ホストとなるPCにマイコンボードをUSB接続

4.Windows10のデバイスマネージャから2つのCOMポートとして認識されていることを確認

(例:COM6,COM7。USBを抜き差しして確認)

5.VirtualBoxの設定画面を立ち上げ、以下を設定。

・設定>USB>USBコントローラを有効化にチェックし、マイコンをさしているUSBポートの環境に合わせてUSB2.0コントローラー/USB3.0コントローラーを選択。

・設定>シリアルポート>ポート1>シリアルポートを有効化にチェックを入れる。

 ①「ポート番号」はCOM1を指定(XPからCOM1として認識する)

 ②「ポートモード」はホストデバイス

 ③「パス/アドレス」には手順4でホストのデバイスマネージャから確認したCOMを指定する。(例「COM6」)

 

・設定>シリアルポート>ポート2>シリアルポートを有効化にチェックを入れる。

 ①「ポート番号」はCOM2を指定(XPからCOM2として認識する)

 ②「ポートモード」はホストデバイス

 ③「パス/アドレス」には手順4でホストのデバイスマネージャから確認したCOMを指定する。(例「COM7」)

OKを押して設定完了。

6.仮想マシンのXP環境を起動する。

7.HEWを起動し、接続画面「Init(M16C R8C FoUSB/UART)」から以下を設定。

MCU:R5F21336CUART.MCU ※ない場合、追加パッケージがRenesasのサイトにあるのでダウンロードする。

・Serial

・Port:COM1

・BaudRate:38400

でOKを押す。

転送され、HEWのDebug画面でConnectedと表示されればOK。

※もし通信エラーが発生したときはマイコンの切り替えスイッチがDB側になっていることを確認してリセットボタンを押してください。

 

以上になります。あとは本の通り進めてください。

よき論理を!